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エピローグ

鈴木 翔斗(4年)

氷上奮闘記をご覧の皆様、こんにちは。立教大学理学部化学科4年の鈴木翔斗です。

私は、先日の練習試合をもって、アイスホッケー部、そして競技から引退しました。試合終了後は、引退の実感が湧きませんでしたが、それから、深夜に自転車でスケートリンクに向かう日がなくなって、徐々に競技人生が終わったのだなと思うようになりました。
もう重い防具を背負うこともないんだなと思うと、何か寂しさを感じます。

そして、大学生としての卒業も近づいてきました。今月に入って、2週間前に卒業研究の発表、1週間前に卒業論文を書き終え、提出してきました。学生生活の集大成として、ひと仕事終えた気がします。




高校生の時、ある教師が言った。
「学生生活では、高校生が1番キツい。大学では、充実したキャンパスライフが待っている」と。

決して、そんなことはなかった。自分は過ごしてきた4年間の学生生活、良い意味でも悪い意味でも濃いものだっただろう。
そんな4年間を最後の氷上奮闘記で振り返っていきたい。
ここから、少々文章が堅くなるのも、最後ということでお許し願いたい。

ある日のスケジュールを示すと、午前は授業、午後に実験、帰ってきて深夜に氷上練習、次の日、寝る間もなく1限の授業、課される実験の予習とレポートの嵐。

「こんな生活をして4年間過ごすのか」

当時1年生の私は、大学生活の理想と現実とのギャップに、かなり落ち込んだに違いない。憧れのキャンパスライフとは一体何なのか。
2年目もほぼ同様だったが、その中でも、座学や実験に必死になって取り組んだのは、1年目での経験があったからこそだろう。3年目からは研究室に配属となり、最近まで、実験に力を入れていた。
一方、アイスホッケー部では、チームにとっても、自分にとっても1年目から印象に残る出来事が多かった。
1年目は、秋の関東大学リーグで初ゴールを決めた。DFからのシュート、リバウンドを押し込んだ。記録に残る形で、チームに貢献できたのが嬉しかったのか、特に決めポーズをすることもなく、ひたすら喜んでいた気がする。
 2年目、DFにコンバートされる。本格的にDFをやるのは初めてで、先輩方に、多くのことを教えてもらった。時に優しく、時に厳しく、自分が失敗をし続けてもなお、勇気づけてくれた先輩方には感謝しかない。この時、リーグ戦で長い連敗を止め、さらに強豪相手に値千金の白星を挙げた。チームでこれまで取り組んだ練習の成果が、ついに実った。
 COVID-19の影響もあり、大会や合宿が中止となり、思うように動けなかった。その後、最上級生となった私達は、「リーグ戦3位」を目標に戦っていくこととなる。少ない人数で、どうやって勝っていくか。できることはほとんどやってきたと思う。練習前後、試合前後のセットでのミーティング、チーム全体でのミーティング、とにかく話し合う機会を多く設けて考えを共有した。先輩後輩関係なく、全員でアイデアを出していったことがチームの成長に繋がっていったと思う。

最終年のリーグ戦、チーム事情もありFWに戻る。FWに戻ったからには、一矢報いたいと思っていた。結果を残すことができればと貪欲になっていたことは確かだ。その思いは、リーグ戦最後で実を結ぶ。ラッキーなゴールだったが、喜び方は1年目の時と一緒だった。

体育会の中では、理学部ましてや化学科の学生は珍しいと思う。自分が所属した中でも理学部の学生はいなかった。ここまで振り返っても、多忙な4年間を過ごしてきた。自分が選んだ道だが、決して後悔はしていない。他の人では経験できないこともできて、さらに自分が両立し通したことが、自信に繋がっているからだ。これからの人生でも、この時得た経験を活かせるように歩んでいきたいと思う。




最後に、自身の体育会活動と学生生活の両立を支えてくれました、石川先生、細谷総監督、大友監督、吉田コーチ、OB・OGの皆様、個性にあふれた同期、元気な後輩達、自分の体育会活動を許してくれた教授、研究室のメンバーの皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。
そして、大学でプレーしたいという我儘を受け入れ、時には応援まで来てくれて、自分をここまで支えてくれた家族にも心より感謝しています。本当にありがとうございました。

(2022年2月28日 20時26分)

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