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後輩に残せるモノ

伊与久 純平(4年)

 氷上奮闘記をご覧の皆様、こんにちは。
立教大学社会学部現代文化学科4年伊与久純平です。
この氷上奮闘記を書いた日の朝は、肌を刺す寒さに縮こまりながら、落ちたイチョウを踏み歩きました。今年も一気に、思い出したように冬になりましたね。私にも卒業が迫ってきています。

 今回の氷上奮闘記では、私の4年間で感じた苦悩と喜びを通しての学び「どれだけ広い視野で、ポジティブでいられるか」についてお話出来れば、と思います。
 遡ること、1年生のころから、私は入部してから長いあいだ、部活に自分の居場所がないように感じていました。自主練をしても全体練習には参加できず、2年生になっても、その状況は変わらず、チームは試合にも勝てない。そしてついに2年生の夏には、能動的になれなくなってしまいました。試合・練習に参加できない、活躍できない自分に価値がない、チームもそれを黙認、無視していると感じ、そこからはただ日々の練習をどうやって塗りつぶそうか、と時間が過ぎるのを耐える日々が続きました。実際に一緒に始めた同期の未経験者はチームを離れ、孤独感はさらに増していきました。
 それでも私が今日、アイスホッケーを楽しめているのは、昨年引退された久保さんと吉田さんのご指導があったからです。先輩方は、私がどれだけ狭い視野で、アイスホッケーを諦めかけてしまっているのかを教えてくださりました。そして、同じように大学から始め、チャンスに食らいつき続ける久保さんのチャレンジ精神と、人数不足から競争が不足していた中でそれでも上を目指し続ける吉田さんの志の高さに魅せられ、自分はここでまだまだ成長できると感じました。あとは自分の意地だったと思います。
 そこからは一心不乱に、また挫折の日々が始まりました。これまでの挫折と違ったのは、そこに焦りがないという点でした。それは先輩方との多くの自主練習からくる自信に裏打ちされたものでした。ここでの日々から、広い視野で、ポジティブでいることの大切さを学ぶことが出来ました。
 先輩方が卒業されて、私は4年生になり、セットメンバーに選んでいただくことが出来ました。そして今年の秋リーグ戦は、私の4年間で一番楽しいものとなりました。関東1部リーグは、大学からスケートを始めた私にとっての憧れであり、誇りであり、ずっと届かないと思っていた舞台でした。その舞台でメンバーの一員として氷に乗れたことを、本当に、嬉しく思いました。応援をしてくださった方々に感謝申し上げます、ありがとうございました。ここでは「未経験者の目標になる」という目標を立て、試合に臨みました。上野の怪我による離脱を受けて、その気持ちは一層強くなりました。未経験者とは具体的に、1年の鈴木です。私と同じようにこの1年はドアマンとしてチームに貢献をしました。その鈴木の分まで、責任をもって、勝ちにこだわり、私の姿をみてなにか感じ取ってくれたら嬉しいと思いながらプレーをしていました。
 現在は、私が引退までに後輩に残せるモノはなんだろうか、と考えながら日々を過ごしています。答えは出ていませんが、この問いに向き合い続けることに価値があると信じて、引退まで走り抜けたいです。

 最後になりますが、私たちは12月末にインカレを控えています。私にとって、同期にとって最後の公式戦となります。応援してくれる観客がいて自分たちが主役になれる環境は、この先の人生であと何回あるでしょうか。私の4年間の集大成として全力を尽くしますので、ご指導ご声援のほど、宜しくお願い致します。

(2021年12月21日 22時22分)

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