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最善最大の決断

大宮 健吾(4年)


氷上奮闘記をご覧の皆様、こんにちは。
本年度主将を務めさせていただきました、大宮です。
先日の行われました歓送会では、お忙しい中多くの先輩方が参加して下さいました。4年生を代表して御礼申し上げます。
また細谷監督の勇退セレモニーの企画や準備をして下さったOBOGの皆様、ありがとうございました。細谷監督、長い間お疲れ様でした!!


歓送会も終わってしまい、気づけば引退から既に2ヶ月も経ってしまいました。ホッケーから離れた生活に今は何か物足りなさを感じながら毎日を過ごしております。やはり引退というのは寂しく、心にぽっかりと穴が空いてしまっているようです。ホッケーから得たこと、そしてこの部で学ばせていただいたことはここに書ききれないほど多くあります。だからこそ最後に何を書けばいいのかとても悩んでしまいますが、この4年間を思い出しながら書き進めることにします。
稚拙な文章で、長々となってしまい皆様を退屈させてしまうかもしれませんが、最後まで読んでいただけると幸いです。


高校卒業後、私はホッケーを辞めようと考えていました。小・中・高と約10年間ホッケーを続けていた私ですが、アスリート選抜で入学してきた選手のような実績もスキルもありませんでした。競技生活10年目にして初めて国体の東京都選抜に選ばれましたが(そこで平成29年度卒 野尻先輩と一緒になりました)、周りの選手とのレベルの差が大きく、そこでは自分の限界を感じさせられることとなりました。今までの努力が実り、やっとの思いで入れた選抜チーム。とても嬉しかったことを覚えていますが、なんとかハイレベルの選手達に食らいつこうと受験勉強もろくにせずにホッケーに打ち込むも、練習では足を引っ張り、試合にもほとんど出ることができませんでした。「こんなホッケー人生も自分らしい。輝かしくはないけれど、全力で打ち込み、最後にいい経験ができた。1つの節目として高校で競技をやめよう」そんな思いを抱きながら受験勉強のため競技から1年間離れ、一浪の末、立教大学と関西の大学に合格しました。どちらに進学するか考えていた時、野尻先輩と細谷監督から猛アプローチを受けました。自分を必要としてくれていることへの嬉しさを感じた同時に、やはりホッケーを諦めきれないという本当の思いに気づくことができ、4年間立教大学でホッケーを続けることを決意しました。この決断はこれまでの人生の中で最も大きく、そして正しい選択であったと思っております。もし他の道を選択していたら今頃どうなっているのかと想像するとぞっとしてしまうほどです。当時、毎日のように野尻先輩からお誘いの電話を頂いたことや、細谷監督の「一緒に立教でホッケーをしよう!」という情熱に溢れたお電話を今でも鮮明に覚えています。その時はまだ監督にお会いしたことは無く、電話越しでしたが、この人の元でホッケーをしてみたいと思わせられるほどでした。(お会いしたらそれ以上に熱意溢れたお方でした)お二人無くして今の私は無く、感謝しても感謝しきれません。改めて御礼申し上げます。この部に入部させて下さり、そして私の人生を変えて下さり、ありがとうございました。

先日の歓送会もちまして私はこの部を引退したわけですが、思い返すと14年間の競技生活の中で勝った経験は数えるほどでした。特にこの4年間は勝つことができず、今までで最も苦しむこととなりました。昨年もレギュラーリーグ1勝を目標の1つとして掲げ、チーム一丸となって取り組んで参りましたが、遂には達成することはできませんでした。卒業する4年同期は入部してから1部リーグで1勝もすることができぬまま引退となり、私を含め、8人全員はこの悔しさをこの先もずっと忘れることはできません。4年間を通して、特に主将を務めさせていただいた1年間は結果を残すことができず、非常に後悔が残ります。結果を見れば、勝利を収めたのは毎年の下部との入替戦のみで、到底満足など出来るはずもありません。
しかし、1部リーグ唯一の経験者・未経験者混合チームとして、様々なレベルの選手、様々なバックグラウンドを持った多種多様な選手達が1つにまとまり、格上相手に最後まで諦めずに挑戦し続けることが出来た事。そして、どんな状況下においても全員がこだわりをもって全力で戦うことができたこの経験は、試合での1勝よりも素晴らしい事であると思っております。

また主将を務めるにあたり、密かに私の中で「誰1人として欠けることなくシーズンを戦い抜く」ということを目標にしていました。これまでホッケーを続けてきた中で、辞めて後悔していった人を沢山見てきましたし、何より先程お話しした通り、私自身辞めようと考えていた時期を乗り越え諦めずに続け、立教でホッケーをすることができて心の底から良かったと思っていることから、他の部員に途中で辞めて後悔して欲しくはないという思いが強くありました。
この部は大学からホッケーを始めた部員が大半を占めます。チーム内での選手のレベルの差も大きく、しかもその環境の中で努力を重ね、勝利を目指し続けなければならない。それ故の厳しさ、他校には見られない立教ならではの難しさがあります。そんな逆境の中で、もがき苦しみ、それでも諦めずに前を向き続けてこそ、私達は大きく成長できるはずです。
昨シーズンは誰も欠けることなく25人全員で戦い抜くことができました。それは私が特別何かしたというわけではなく、25名のチームメイト1人ひとりのおかげだと感じています。試合には勝つことができませんでしたが、他のどの大学の選手よりも私たちが最も人間的にも成長できたと信じています。これは私にとってかけがえのない経験となりました。そして大学からホッケーを始めた同期7人と共に様々な苦難を乗り越え、最初から最後まで誰も欠けることなく4年間やり抜いたこと。引退して初めて、細谷監督が仰っていた「4年間続けてこその体育会」という言葉の真の意味を理解することができ、全員が続けて良かったと思えたこと。こんなに素晴らしい経験ができたことをとても幸せに思っております。

私の中で立教大学体育会アイスホッケー部は1番大きな存在であり、大学生活の全てでした。
そしてこれからも私の根本がホッケーとこの部であることに変わりはありません。
歴史と伝統あるこの部に入れたこと、歴史の一部になれたことは私の一生の誇りです。

来年度も厳しい状況に変わりはありませんが、後輩達は今年度よりもさらに良いチームをつくり、私たちが成し得なかった目標を達成できるよう努力を重ねてください。これからはOBとして部に貢献出来ればと思っています。

最後になりますが、この場をお借りして、部長先生、監督、コーチ、OBOGの皆様をはじめ、4年間お世話になりました方々に御礼申し上げたいと思います。
立教大学体育会アイスホッケー部に入部させていただき、そして4年間活動させていただき、ありがとうございました。
来年度のチームにも変わらぬご支援よろしくお願い致します。


ホッケーを続けてきて良かった。
立教でホッケーをできて良かった。

(2019年3月4日 15時19分)

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