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計算の立たない選手

佐山 雄一(2年)

氷上奮闘記をご覧の皆さん、こんにちは。
経済学部経済学科二年の佐山雄一です。

私たちは今、この大会の無い期間を利用して基礎技術の向上を目指しトレーニングに取り組んでいます。そして、サマーカップ、秋のリーグ戦での勝利を目指しています。

5月から大学から初めた一年生も練習に参加するようになり、二年の私は立教大学アイスホッケー部に所属して丸一年が経ちました。去年の自分と比較して自分はうまくなったのかを確認しようと去年の練習ビデオを見返してみたのですが、あまり映っていなくて真相は闇の中です。果たして上手くなったでしょうか、、、

さて、今回は全敗してしまった秩父宮杯ですがとても印象に残ったワンシーンがあります。それは最後の神奈川大学との試合の後の出来事で、負けて私たちは控室に帰ってきたのですが、そこで一年の鈴木が泣いていたシーンです。その涙には様々な意味が込められていたのでしょう。それをすべて理解することはできないですが、ただ私はこんなにも自分の感情を表に出して戦う選手がいるのかと思いました。
そしてある記事を思い出しました。それは平常心や冷静さが限界突破の可能性を制限してしまうという内容で、「心は熱く、頭は冷静に」が絶対にいいとは限らないというと書いてありました。もちろん「心は熱く、頭は冷静に」プレーすることは重要で冷静さを失って「怒り」に振り回される状態はスポーツメンタルにおいてマイナスに分類されますが、時に緊迫した試合などで勝負を決めるのは「怒り」かもしれません。
冷静な選手は何が起きても落ち着きを払い、持っている実力をそのまま出せる選手。言い換えると「計算が立つ選手」です。チームからすればとてもいい選手ですが相手からすれば起こりうることが予測できてしまいます。それに対して「心は熱く、頭も熱く」だと危険な状態ではありますが、その「怒り」をパワーに変えてさらなる実力を引き出せるかもしれません。言い換えると「計算の立たない選手」です。
今の立教大学アイスホッケー部に必要なのは後者なのではないでしょうか。相手校からすれば、「連続最下位の立教だからこれくらいしかできないだろう」と思われているかもしれません。そんな相手に勝つためには相手の予想していなかったプレーを見せる必要があり、「計算の立たないプレー」が勝利には必要なのです。
そして、今の私はどうでしょうか。おそらく計算の立つ立たないではなく、計算に含まれていないでしょう。ただこれから監督にもコーチにもチームにも予想できないプレーを見せること、つまりいい意味で「計算の立たない選手」になることが私の目標です。
今回の秩父宮杯は私に目指す理想の選手像を与えてくれました。そして立教大学の勝利へのカギは「計算の立たないプレー」なのかもしれません。

(2018年6月11日 15時1分)

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