氷上奮闘記をご覧の皆様、こんにちは。法学部国際ビジネス法学科4年の上野懸勢です。四季折々の季節もなかなか感じづらくなり、気温の安定しない日々が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。師走も近づきお忙しい時期かと存じますが、どうかお体に気をつけてお過ごしください。
さて、今回の氷上奮闘記が現役最後の氷上奮闘記になると思いますので、今回は主将として1年間心がけてきたことと、後輩たちへ向けたメッセージを綴らせていただきたいと思います。拙い文章ですが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
まず私が主将として1年間心がけてきたことは、チームの目標を明確にすることです。ここで突然ですが、皆様は集団と組織とチームの違いについてご存じでしょうか。私の見解では、集団とは人がただ集まって構成されたもの。組織とは、その集団に加えてトップとなる統括者(つまり監督やコーチなど)がいて構成されたもの。この組織には集団と比べ、上の指示によって下が動くという一方的な利害関係が生まれます。そしてチームとは、この組織に加えて、全員が同じ目標を持ち、その目標に向かって自発的に動くものであると考えます。統括者がいるという点では組織と変わりなく見えますが、チームでは一方的な利害関係から相互的な利害関係へと変わります。簡単に言ってしまえば、上からの意見で一方的に動かすのではなく、全員が自分の意見を主張し、より良い方向性を精査して動きます。以上が私の考える集団と組織とチームの違いです。
この考えがどのように私が1年間心がけてきたことと結びつくかというと、統括者はチームをつくる上で、軸をぶらさずに全体の目標を掲げるべきということです。そうすることによって、全員がチームとして同じ目標を持つことができ、同じ方向を向いて歩むことができます。そして今年は新たな試みで、氷上班、陸トレ班、データ班、広報班というものを作りました。主な業務内容は、氷上班は氷上練習のメニュー作成。陸トレ班は陸上トレーニングのメニュー作成。データ班は試合でのデータ収集と記録。そして広報班はSNS全般の運営です。これらの班の班長を現3年生とし、チーム目標からずれないように、軸となる指示は出しますが、あくまで後輩たちが主体的に動けるよう考えました。結果的には目標の遂行率は及第点に遠く及ばず、主将としての力不足を痛感するばかりですが、チーム、個人共に成長と伸び代を感じる1年間でした。
次に後輩たちへのメッセージについては、本来であれば一人ひとりに向けて書きたいところですが、長くなってしまうので学年別で分けて綴らせていただければと思います。
まず1年生、氷上ではもっと自信を持って遠慮せずにプレーしてください。歴代の立教大学アイスホッケー部からすれば、6人の経験者が入ってくることはまず考えられませんでした。来年以降も継続して入部してくれるかもしれませんが、高校までに培った経験を活かして、自信を持って下からチームを支えてください。(「自信」については久保の氷上奮闘記で綴られていることが本質だと思うので、是非拝見してみてください。)そして氷上から上がったら、最低限の礼儀はしっかりしましょう。今後先輩になる上で、社会に出る上で、人と関わっていく上で絶対に必要なことです。親しき中にも礼儀あり、オンオフの分別がつけられる人になりましょう。氷上以外での礼儀がしっかりしていれば、氷上ではもっと尖っていてもいいかなと個人的に思っています。
2年生、今までは自分だけで良かったことが、幹部になって部の運営に携わるようになったり、全体のことを考えなければいけなくなったりします。OBOGの皆様との関わりも増え、年末になれば就職活動が始まるなど、より一層礼儀が重んじられるようなります。無所属やサークルよりも体育会が、個人競技よりも集団競技の方が企業や社会から好まれる理由は、チーム運営や縦社会の経験に起因するものだと思います。チームの架け橋となって4年生を助けてあげてください。
3年生、人数が少なくあまり意見をはっきり言えない者同士だからこそ、各々の長所を活かし助け合ってチームを作っていってください。正直まだ不安が残りますが、フレッシュな新1年生が入り、もっと高みの目指せるチームになることを期待しています。
そして最後に、チームの統括者となる主将に伝えたいこと。それは、どのようなことがあっても決めた目標はぶれずに掲げ続けるということです。そして、その目標を達成するためにはなにが足りていなくて、その足りていないものを補うにはどのようなことが必要なのかを考え、全体に共有し、全員で考えてより良いチームを作り上げていってほしいと思います。主将には主将でしか経験できないことがたくさんあります。楽しいことも厳しいことも、全て乗り越えてこそ本当の成長があると思うので、全員で思い残しのない1年間を築き上げてほしいです。
長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。残す公式試合もインカレのみとなってしまいました。近年の立教大学アイスホッケー部の歴史を変えるべく1年間臨んでまいりましたが、ファイナルリーグ進出という目標は達成することができませんでした。しかしながら、インカレベスト8という目標を達成する機会がまだ残っております。今年は主将として、スタッフの方々、OBOGの皆様とより深く関わることができ、今まででは感じ取ることのできなかったご支援に、深く感謝しております。日頃の感謝の意も込めて、プレーと結果でお返しできればと存じます。残り短いシーズンですが、何卒ご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。