氷上奮闘記をご覧の皆様、こんにちは。コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科4年、久保光大です。
つい最近新たな8人の新入生が入部したと思えば、気付けばもう11月、現役期間も残すところあと数ヶ月となってきました。長いようで非常に短く感じるこの4年間、集大成として悔いの残らないよう、学業を含め日々精進して参ります。
さて、今回の氷上奮闘記では、自分が経験してきたからこそわかる自信を持つことの重要性についてお話しできればと思います。
私は元々どのスポーツにおいても自信がなく、自分の意思もなく、人に流されやすい性格でした。幼少期、クラブチームでサッカーをしていた頃も、誰もやりたくなかったキーパーをやるように監督から頼まれ、キーパーをやりたい選手が入るまで、長い間キーパーをやっていました。本当はFWやDFなどのポジションをやりたかったにもかかわらず、文句も言わずにこなしていました。優しさで文句を言わずにキーパーをやったとも言えますが、実際は練習があまり好きではなかったことや自分のスキルに自信がなかったことで、自分がフィールドプレイヤーをやって失敗して、チームの目を気にするのが嫌でキーパーをやっていました。
この性格を変えてくれたのは、私のスポーツに対する姿勢の変化でした。私は小学3年生の後半にアメリカに引っ越し、半年後にアイスホッケーを始めました。当初、英語が全く話せない状態だった私にとって、スポーツは唯一のコミュニケーションツールでした。
英語もできない、アイスホッケーも下手となると、自分のチームにおける存在意義やチーム内で選手との交流がなくなってしまうことなどを考え、競技だけでもと、学校終わりにひたすら練習していたのを覚えています。毎日家の前で、暗くなるまでローラースケートを履いてシュート練習やハンドリング練習を行い、週末は朝早くに起き、カジュアルホッケーに連れて行ってもらい、自分に足りない部分をひたすら練習しました。そうすると、今まで味方任せなプレー中心だったのが、自分でパックを持って行ってシュートをしたり、片言英語で味方に指示をしたりと、今まで言われるがままに動いてきた人が、少しずつ自分の意見を発し、意志を見せるようになり、より対等な関係でチームメイトとプレーできるようになっていました。実際にホッケーが上手になっていたかはわかりませんが、今まで気にしていたチームメイトの視線が気にならなくなっており、失敗は自分が成長するために必要だという考えを持つことができました。また、失敗を恐れず様々なプレーに挑戦し、間違っていても良いから自分の考えなどを他の選手に発するなど、自分のアイスホッケーに対する考え方が変化していったのを覚えています。
私はスポーツにおいて自信をつけるために一番大事なことは、行動、練習、努力だと考えています。イチロー選手は「努力を努力と感じることはよくない」と言っていましたが、私は必ずしもそうとは限らないと思います。もちろん自意識過剰になるのはよくないことですが、今までやってきた努力を認めるのは悪いことではないと思います。もちろん、アイスホッケーが好きなことが大前提としてありますが、好きなだけでは上手くなりません。目標を持ち、その目標に向かって日々努力をすることこそ、「自分はもっとできる」という自信へ、そして更なる成長へと繋がると考えています。
自信はチームの雰囲気や環境の変化などで変動するものです。そのため、自信を一瞬失ったとしても、行動、練習、努力を欠かさずに続けることが、自信を取り戻すために重要だと私は考えます。実際に、大学1年生の頃の私は自分のプレーに自信がありませんでした。環境の変化、そして強豪校から集まって形成されている大学アイスホッケーへの恐怖により、味方に頼り、自分で攻めることを避けていました。それを変えてくれたのは、大学1年生のオフ期間、毎日のように朝から晩まで同期の清田と公園で一緒に練習をしたり、多いときには他大学の練習に週5回参加したりしたことです。自分のプレーに磨きがかかったのはもちろん、自分の練習量や今までやってきた努力により、自分も他の選手のようにもっとできると思えるようになりました。その経験がなければ、おそらく私は自分のプレーに自信がないまま4年生になっており、ここまで選手として成長することはできなかったと思います。
アイスホッケーにおいて、大学生は高校生に比べると圧倒的に練習量が減り、練習を強制されることも少なくなることから、練習量は選手の判断に委ねられます。しかしだからこそ、大学生は沢山練習をするべきだと考えています。高校生までは監督に言われたことを中心に練習することしかできなかった中、大学生は自分に足りていない部分、自信のない部分を自分の意思で練習することがより可能となり、高校生の時よりも、よりコンプリートな選手を目指すことができると私は確信しています。後輩たちには今のプレーを限界だと思わずに、もっと練習をし、自信をつけて、選手としてより高みを目指して欲しいと思います。
最後になりますが、私は引退までの2ヶ月、今まで以上にアイスホッケー漬けの生活を送りたいと考えています。1部Aチームが相手でも、今まで以上に自分のプレーに自信が持てるように、そしてチームが多くの試合に勝ち、近年の立教では見ることができなかった栄光へと導きたいと思いますので、応援の程よろしくお願い致します。