氷上奮闘記をご覧の皆様、お久しぶりです。経済学部経済学科4年の佐山雄一です。
実は毎回、簡潔でスマートな文章を書くことを意識していたのですが、今回は久しぶりの氷上奮闘記という事と珍しい状況という事があり長文になってしまいました。そのため時間がある時に見ていただけると幸いです。
「絶望」==========
3月27日 その日はオフだったので主将の竹高や同期の久保、後輩たちとご飯に行っていました。その最中に春大会の中止の連絡がありました。その時は「しょうがないねー」なんて話をして、「これから練習もなくなるし今日はカラオケでオールしよう!」となりました。その場では誰も正直な気持ちを出しませんでしたが、解散した後、自分を含めて悔しい、悲しいなどの感情が溢れ出たと思います。
自分たち4年生にとっては集大成のラストイヤーで、チームとしても昨シーズンは久しぶりの勝利があり、今年は今まで以上にモチベーションが高くなっていました。
そんな中での中止だったので、まさに《絶望》という言葉が似合う出来事でした。
「心が追いつかない」==========
春の大会がなくなり、夏合宿も中止。秋のリーグ戦も無観客かつ縮小しての開催。頭の中では「現実を受け入れて残りの数試合のために全力を尽くすべきだ」と理解できているのですが、どうも心のどこかで受け入れることが出来ませんでした。
最後の年だし、こんなバカ息子を支えてくれた家族に自分の姿を見て欲しかったし、友達にも「お前らが寝ている間、こんな激しいスポーツしてたんだぞ」って見せたかった。それが出来なくなって、想像していたラストシーズンと別物すぎて、やる気のかけらも生まれませんでした。
心技体という言葉をよく聞きますがよく出来た言葉で、気持ちが追いついていないことによって、これまでの3年間は練習をするごとに少しずつ成長を感じることができていたのに、全く感じなくなってしまいました。
オンラインで行っていた陸トレも心ここにあらずでテキトーにやっていたように思います。
この自粛生活が始まってからの半年間を自分は棒に振ってしまったように思います。
部員のみんなはそれぞれ目標を見つけて頑張っている中、自分はいつまでも腐っていました。副将としても4年生としても失格だと思います。
「これまでと同じ」==========
最近は徐々に元の生活に戻りつつあり、8月に入ってからダイドードリンコアイスアリーナでの練習も再開されました。この東伏見での練習の再開が自分にとって1つのキッカケになりました。
これまでと同じ時間に、同じ車に乗って、同じ道を通って、同じ東伏見のリンクで練習した時に、これまでと何も変わらないなと思いました。そこにリーグ戦が無観客だとか半周しかしないとか関係ないなと思えるようになり、ようやく気持ちの整理がついた気がしました。
マスクをつけてのアップ、ソーシャルディスタンスを保ちながらの準備、練習。いつもと違っても、やるべきことは変わらない。当たり前のことですが、なかなか気付けなくて、それを理解した自分はようやく言葉だけではなく本当の意味で、残りの試合を戦う覚悟が出来たと思います。
「覚悟」==========
今回の新型コロナウイルスは自分に大きな絶望を与えました。立ち直るには長い時間がかかりましたが、ようやく覚悟が決まった気がします。これからは自分と同じように絶望してしまった人に向けて、これまでと変わらない生活があることをスポーツを通して示すべく、自分はプレーしたいと思います。
先程も少し述べた通り、今年の秋のリーグ戦は縮小開催でさらには無観客試合になりますが、これまでと変わらぬご声援の程、よろしくお願い致します。